孫文·1866–1925·中国(清末〜民国)
「天下を以て公と為す(天下為公)」
この言葉の背景
孫文が晩年に好んで書いた四字の揮毫で、南京中山陵の正門楣、台北国父紀念館、広州中山紀念堂などに自筆および模刻で残る。典拠は『礼記』礼運篇の「大道之行也、天下為公」で、儒家の大同理想を革命の政治言語に翻訳したものである。一党一派でも一君でもなく、天下は公のもの ― 民族・民権・民生の三民主義を人々の言葉に置き直す合言葉として、南京陵墓の大牌坊にも刻まれ、20世紀中華世界の政治的公共性の合言葉となった。