ノリッジのジュリアン·1342頃–1416頃·中世イングランド
「神は我らの衣服である。愛ゆえに我らを包み、つつしみ、決して離れない」
この言葉の背景
1373年5月に与えられたという16の啓示(ショーイング)を、ノリッジのジュリアンが数十年かけて書き直した『神愛の啓示』第5章の一節である。神を雲上の審判者としてではなく、肌に触れる衣服として描くこの比喩は、14世紀中英語の宗教的語彙のなかでも異例の親密さを帯びる。ペスト禍と百年戦争の14世紀末、教会の公式な神学とは別の地平で、ひとりのアンカレス(隠遁修道女)が書き残した霊性の語り口として、20世紀にマートン、メリトンら現代霊性の神学者に再発見された。