レオナルド・ダ・ヴィンチ·1452–1519·ルネサンス期イタリア
「知恵は経験の娘である(La sapienza è figliuola della sperienzia)」
この言葉の背景
1490年代後半、ミラノのスフォルツァ宮廷で解剖・水理・機械の研究を続けたレオナルドが、ポケットサイズの手稿(Codice Forster III、現ロンドン V&A 美術館蔵)の余白に書き留めた数百の箴言のなかでもっとも繰り返される一つである。書物で得た命題(scienza)ではなく、手と眼で確かめた経験(esperienza)こそが真の母であり、それを娘として生まれる知恵がさらに実地で検証される ― 実験哲学という言葉が生まれる一世紀前の、工房の床から立ち上がった認識論の一行である。リヒターの1883年版『ノートブック』以降、世界中で参照され続けている。