シエナのカタリナ·1347–1380·中世イタリア
「あなたが本来なるべきものになるなら、イタリア中を火につつむだろう」
この言葉の背景
1377年頃、30歳前後のカタリナがシエナの若い弟子ステファノ・マコーニへ送った書簡第368の一節である。教皇庁をアヴィニョンからローマへ戻すため教皇グレゴリウス11世に直に書簡を書き送り、ペスト患者の看護と若者の霊的指導を同時に担っていた彼女は、弟子の煮え切らなさを前に、本来の姿へ踏み出せば一人の火が全土を照らすと書き送った。識字教育も正規の修道会の経歴もない一女性の言葉が、教皇と将軍を動かした時代の、最も鋭い一行として読み継がれている。