二宮尊徳·1787–1856·日本(江戸後期)
「積小為大 ― 小を積みて大をなす。」
この言葉の背景
14歳で父を喪い酒匂川の氾濫で田を流された二宮金次郎が、まき割りや水利の普請を重ねて小田原藩・下野桜町の復興を指揮した報徳仕法の中核に置いた四字。のちに弟子福住正兄が師の日常の言葉を記録した『二宮翁夜話』巻一に、稲の一穂から田一枚へ、一銭の節約から藩財政の立て直しへ、と具体例が連ねられる形で収められる。才や運より、今日の小さな務めを怠らず積み上げることを資本にする ― 報徳の実学を一息で伝える、農政家の作法である。