芥川龍之介·1892–1927·日本
「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である」
この言葉の背景
昭和2年7月24日未明、田端の自宅で致死量の睡眠薬を呑む直前に、芥川は友人久米正雄に宛ててこの短い手記を書いた。生後七か月で母が発狂し、のちに「母の血」への恐怖を長く抱え続けた35歳。谷崎との「文芸的な、余りに文芸的な」論争で創作の行き詰まりも露わにした夏、自死の理由を問う世へ差し出せたのはただ一語、将来への「ぼんやりした不安」だった。名指せない曇りに名前を与える拒絶として、昭和初期の知識人の呼吸を象徴し続ける。
出典と確認メモ
4件- 解釈一次資料で確認済み要旨訳
要旨訳: 昭和2年7月24日未明、田端の自宅で致死量の睡眠薬を呑む直前に、芥川は友人久米正雄に宛ててこの短い手記を書いた。生後七か月で母が発狂し、のちに「母の血」への恐怖を長く抱え続けた35歳。谷崎との「文芸的...
一次資料を開く本文 verbatim 確認: '少くとも僕の場合は唯ぼんやりした不安である。何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である。' / 末尾 '(昭和二年七月、遺稿...
- 出典一次資料で確認済み原典確認済み
原典確認済み: akutagawa.mdx pullsource '遺書「或旧友へ送る手記」(昭和2年7月)' は、芥川龍之介 (1892-1927) が 1927 年 (昭和 2 年) 7 月 24 日未明、田端の...
一次資料を開く青空文庫 (新字新仮名、底本『芥川龍之介全集』第 16 巻 岩波書店 1997)。冒頭 '誰もまだ自殺者自身の心理をありのままに書いたものはない'、postsc...
- 出典原典で確認済み定本確認済み
定本確認済み: akutagawa-1.source 表記『遺書「或旧友へ送る手記」久米正雄宛(昭和2年7月、1927)』は完全に正確。芥川龍之介は1927年(昭和2年)7月24日服毒自殺、久米正雄宛遺書として「或旧...
一次資料を開く底本『芥川龍之介全集 第9巻』(岩波書店 1996年9月8日初版) 入力 file。「或旧友へ送る手記」全文。久米正雄宛遺書として canonical text...
- 引用一次資料で確認済み原典確認済み
原典確認済み: 僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である
一次資料を開く本文中段「少くとも僕の場合は唯ぼんやりした不安である。何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である。」(底本: 「芥川龍之介全集 第九巻」岩波書店、1978)